抜歯か非抜歯の診断基準はどうしているのか?
抜歯をするかしないかは非常に重要な決定事項であります。
複雑に考えることも重要ですが、まず下記の3つを抑えることが必要です。
- 叢生量が7mm以上あるのか?
- 上下口唇突出量が有るのか?
- 患者様は抜歯をしてもいいのか?
叢生量が7mm以上ある場合
①叢生量が7mm以上であると、IPRや拡大では叢生が完全にとれないことや、歯槽骨の幅を超えるほどの拡大を行うと歯肉退縮をひきおこしてしまいます。
上下口唇突出量があるか?
口元の突出感を治していくためには上下の前歯を内側にいれるためにスペースが必要です。
そのスペースは、①臼歯の遠心移動をするか②上顎両側第一小臼歯の抜歯するかどちらかになります。①の臼歯の遠心移動では、3mmしか移動できないので、口元が大きく変わりません。
ですので口元の突出感を大きく改善する場合は、②上顎両側第一小臼歯の抜歯を選択する事が当院では多いです。
患者様が抜歯を許容しているのか?
抜歯のメリット・デメリットを説明したとしても、患者様自身が抜歯のリスクを許容できないのであれば、抜歯をしての矯正治療は難しいと考えます。ただ、叢生がある場合、非抜歯をしての矯正治療をした結果、やや上唇前突になります。ですので、当院では、非抜歯での治療後に、顔貌を改善したい場合は、抜歯をしての矯正治療になる可能性があることを事前にご説明しています。
最低限押さえて置く必要な知識をまとめてみました。もちろんこれ以外にも重要な項目がありますのでそれは別の機会で説明させていただきます。
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